発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003099149
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1996年4月~2000年3月に受診した,股関節痛を主訴とする患者を母集団とし,単純X線像では異常がみられず,股関節MRIではじめて骨折の存在が認識できた大腿骨頸部不顕性骨折22例を対象に入院治療を行い,12ヵ月以上追跡調査した.内側或いは転子部の骨折のうち,入院で数週間以上患肢の安静が保持できた症例の多くは保存的治療によって転位の発生なく骨癒合した.内側骨折16例中2例,転子部骨折6例中1例は入院後に骨折部の転位をきたし手術が必要であった.この3例中2例は痴呆症を合併しており,患肢の安静を遵守できないことが原因であった.痴呆症,神経疾患,精神疾患のため患者の安静保持に疑問があると判断された場合には,転位を予防する目的で可及的早期に骨接合術を行うことが望ましかった
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