経験と考察
高齢者におけるAO/OTA分類41-C1を呈した脛骨近位不顕性脆弱性骨折の経験
原藤 健吾
1
,
谷川 英徳
,
大久保 匡
,
森重 雄太郎
,
小柳 貴裕
,
堀内 行雄
1川崎市立川崎病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
脛骨骨折
,
骨折-自然
,
骨折-閉鎖
,
MRI
Keyword:
Fractures, Closed
,
Fractures, Spontaneous
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Tibial Fractures
pp.421-423
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211795
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AO/OTA分類41-C1を呈した不顕性の脛骨近位脆弱性骨折5例(男1例、女4例、平均年齢77.8歳)について報告した。全例軽微な外傷で受傷し、受傷後8日に初診した1例を除く4例は受傷後早期に初診したが、5例とも歩行は可能で、臨床症状から骨折を疑いギプスシーネ固定と免荷が指示されていた。また、全例初診時単純X線像で明らかな骨折を確認できなかったが、3例はMRIで、2例は再診時の単純X線像でそれぞれ診断可能であり、治療は保存的治療が4例、手術的治療は1例であった。脛骨近位不顕性脆弱性骨折はAO/OTA分類41-C1でも歩行可能なことが多く、治療方針に迷いが生じるが、症状から骨折を疑った際には固定と免荷を指示すべきであり、MRIや再診時の単純X線像で骨折を確認できた場合には、骨折線が硬化するまで免荷を継続したほうが安全と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013