発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001202640
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18歳男.2年前,野球練習中に転倒して左膝を打撲した.左膝蓋上極の裂離骨折と診断されギプス固定を受けたが,受傷後1年6ヵ月を経ても屈伸時に膝蓋骨近位端の疼痛が残存していた.X線像では膝蓋骨近位に約1cm転位した骨片を,MRIでは散在する骨片と周囲の瘢痕を認め,手術した.骨片は腱が付着したまま約2cm中枢側へ転位しており,腱断裂部は瘢痕化して退縮していた.周囲との癒着も強かった.膝蓋骨遠位から膝蓋骨とともに膝蓋腱を採取し,180°翻転して近位骨折部に遊離移植した.移植骨と骨片は螺子と鋼線による引き寄せ締結法で固定した.移植の腱部分は内側広筋と中間広筋の間に欠損を埋める形で縫合した.術後経過は良好で,4週間のギプス固定後,リハビリを開始し,術後1年の抜釘時には主要骨片の良好な骨癒合を確認した
©Nankodo Co., Ltd., 2001