ここまで進んだ! びまん性肺疾患の診断と治療 特発性間質性肺炎の分類と診断・治療
間質性肺炎の合併症 肺がん・肺高血圧症
小川 和雅
1
,
岸 一馬
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 呼吸器センター内科
キーワード:
危険因子
,
降圧剤
,
抗腫瘍剤
,
肺高血圧症
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
肺炎-間質性
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Antineoplastic Agents
,
Hypertension, Pulmonary
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Risk Factors
,
Lung Diseases, Interstitial
pp.239-242
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016110041
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間質性肺炎(IP)は肺がんのリスク因子である.IP合併肺がんの術後急性増悪の発症率は9.3%,死亡率は43.9%であった.IP合併進行肺がんの化学療法として,非小細胞肺がんではcarboplatin+paclitaxel療法,小細胞肺がんではプラチナ製剤+etoposide療法が広く行われている.IPは,ときに肺高血圧症(PH)を合併し,独立した予後不良因子となる.肺疾患の程度に比して呼吸状態が悪く,拡散能が低下している症例ではPHの合併を疑い,心エコー検査や右心カテーテル検査を行う必要がある.IPに合併したPHに対して有効性の証明された治療法は少ないが,近年薬物療法による知見が蓄積されつつあり,専門施設での治療が望まれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2016