肺高血圧症-初期診断・治療・管理のすべて 各肺高血圧症の診断・治療・予後
[1'群]肺静脈閉塞性疾患による肺高血圧症
小川 愛子
1
1国立病院機構岡山医療センター 臨床研究部
キーワード:
降圧剤
,
酸素飽和度測定
,
肺移植
,
肺拡散能力
,
肺高血圧症
,
肺静脈閉塞症
,
肺水腫
,
胸部CT
,
すりガラス様陰影
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Hypertension, Pulmonary
,
Oximetry
,
Pulmonary Diffusing Capacity
,
Pulmonary Edema
,
Pulmonary Veno-Occlusive Disease
,
Lung Transplantation
pp.419-422
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016187518
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肺静脈閉塞性疾患/肺毛細血管腫症(PVOD/PCH)は,肺高血圧症分類では1'群であり,難治性疾患克服研究事業の指定難病の一つとなった.末梢肺静脈や毛細血管の狭窄が原因であり,肺動脈性肺高血圧症とは病態や治療法が異なるため,早期に臨床診断を行い,治療方針を選択することが重要である.PVOD/PCHでは,軽労作で酸素飽和度が著明に低下し,肺拡散能の低下や,HRCT上小葉間隔壁の肥厚・すりガラス様陰影を認める.急速に悪化する症例もあり,きわめて予後不良である.唯一の根治療法は肺移植であり,診断時にその適応を検討する.PVOD/PCHでは,肺高血圧症治療薬により肺水腫が惹起される危険性がある.
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