発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016030701
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54歳男。労作時息切れ、全身倦怠感を主訴とした。血液検査で正球性正色素性貧血、網状赤血球の著減を認めた。血液生化学検査では総蛋白の増加、蛋白電気永動でモノクローナルな高γ-グロブリン血症を認めた。また、IgMの高値を認め、免疫電気永動検査でIgM κ typeのM蛋白を確認した。可溶性IL-2レセプターは上昇、エリスロポエチンも著明に上昇していた。骨髄検査では赤芽球の著明な低下を認め、小リンパ球から形質細胞にいたるB細胞が増加していた。以上より、原発性マクログロブリン血症に後天性慢性赤芽球癆を合併したものと判断した。赤芽球癆に対しciclospolinとrituximabによる化学療法を導入し、貧血は改善した。しかし、IgM値は低下せず横ばいであることから、原発性マクログロブリン血症の増悪は認めないものの寛解には至っていない。Ciclospolinによる維持療法を継続している。
©Nankodo Co., Ltd., 2015