慢性疾患となった骨髄腫-どのように診断するか? どのように付き合っていくか? 骨髄腫類縁疾患の診断と治療
マクログロブリン血症の診断と治療
河野 和
1
,
畑 裕之
1熊本大学医学部附属病院 血液内科
キーワード:
マクログロブリン血症
,
骨髄腫-多発性
,
変異
,
Rituximab
Keyword:
Rituximab
,
Waldenstrom Macroglobulinemia
,
Multiple Myeloma
,
Mutation
pp.945-948
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017361094
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原発性マクログロブリン血症(WM)は発熱,貧血,臓器腫大(リンパ節,肝臓,脾臓),過粘稠症候群などを主症状とする主にIgM型M蛋白血症を伴うリンパ形質細胞性の腫瘍である.IgM型M蛋白血症を有するため,脾辺縁帯リンパ腫,慢性リンパ性白血病といった成熟B細胞性腫瘍やIgM型骨髄腫との鑑別が問題となることがある.次世代シークエンスによる解析の結果,90%以上の症例で腫瘍細胞にMYD88L265P変異を,約30%の症例でCXCR4に変異を有することが明らかとなった.海外ではBTK阻害薬や新規抗骨髄腫薬が治療に用いられることもあるが,本邦ではrituximabを用いた化学療法が行われる.
©Nankodo Co., Ltd., 2017