内科診療最前線2007 この1年の動向を踏まえて
糖尿病
会田 薫
1
,
針井 則一
,
小林 哲郎
1山梨大学 第三内科
キーワード:
Insulin
,
Metformin
,
糖尿病-1型
,
糖尿病-2型
,
糖尿病性血管障害
,
糖尿病性神経障害
,
糖尿病性腎症
,
化学予防
,
Troglitazone
,
Thiazolidines
,
強化インスリン療法
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 1
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Diabetic Angiopathies
,
Diabetic Nephropathies
,
Diabetic Neuropathies
,
Insulin
,
Metformin
,
Chemoprevention
,
Thiazolidines
,
Troglitazone
pp.1037-1045
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007068432
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2型糖尿病の発症予防研究では、チアゾリジン系薬剤の効果が生活習慣の介入効果に比べ、より有効であることが示された。各種スタチン、フィブラート系薬剤もサブ解析で2型糖尿病の予防効果が報告されているが、プライマリーエンドポイントでないことから解釈には注意が必要である。1型糖尿病の強化インスリン療法が普及してきたが、カーボハイドレートカウンティング法によるインスリンの過量投与と食事療法の不徹底により、メタボリックシンドローム類似の病態が問題となっている。最近の疫学研究では糖尿病性の神経障害および腎障害の頻度は減少しているが、糖尿病に合併した冠動脈疾患、顕性腎症の発症は変化していないことから、血糖値以外の脂質、血圧などの危険因子の管理の重要性が示唆された。軽症の糖尿病性神経障害へのアルドース還元酵素阻害薬(エパレルスタット)の効果がEBMとして確立された。
©Nankodo Co., Ltd., 2006