発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011306519
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79歳女。約17年前に糖尿病を指摘されていたが、治療中断などで血糖コントロール不良となり、歩行困難、呂律困難が出現したため入院となった。不随意運動が間欠的に出現し、病的反射はなく、両下肢振動覚低下を認め、GAD-Ab弱陽性で、s-CRP低下あり、緩徐進行1型糖尿病と考えられた。また、CTにて左被殻に高吸収域を認め、MRIにてT1強調像で高信号、T2強調像で低信号を呈し、糖尿病性舞踏病と診断した。食事療法およびインスリンにて血糖コントロールを行った。不随意運動はコントロール開始後消失したが、1ヵ月後に再度出現したため、valproate sodium、haloperidolを投与したところ、不随意運動は軽快した。その後、食事療法およびインスリン治療により、退院後も血糖コントロールは良好に経過している。発症後約2ヵ月、発症後約8ヵ月のCTでは被殻の高吸収域は残存していたが、発症後約12ヵ月のCTでは高吸収域は消失していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011