炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 炎症性腸疾患治療の実際
Crohn病の治療 腸管合併症を有するCrohn病の治療
鎌田 紀子
1
,
渡辺 憲治
,
細見 周平
,
湯川 知洋
,
山上 博一
1大阪市立大学 消化器内科
キーワード:
Crohn病
,
病的狭窄
,
消化管出血
,
腸瘻
,
胃腸内視鏡法
,
膿瘍
,
バルーン拡張法
Keyword:
Abscess
,
Constriction, Pathologic
,
Crohn Disease
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Intestinal Fistula
,
Endoscopy, Gastrointestinal
pp.597-601
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019449
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Crohn病は,再燃と寛解を繰り返すにつれて狭窄,瘻孔などの腸管ダメージが進展・増悪していくため,適切なモニタリングにより治療強化のタイミングを逃さないことが大切である.Crohn病の腸管合併症として,狭窄,裂溝,瘻孔,膿瘍,出血,穿孔などがある.線維性狭窄に対して,腸管切除を回避する目的で内視鏡的バルーン拡張術が施行されるようになっている.瘻孔のうち,内瘻は内科的治療が困難で手術適応となることが多い.膿瘍治療の原則は,ドレナージや原因腸管切除を目的とした外科的アプローチである.抗TNFα抗体製剤の登場により,Crohn病患者の予後改善がより図れるようになった.予後不良リスク因子と客観的な病勢モニタリングで,的確なタイミングで抗TNFα抗体製剤を導入することが大切である.
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