腹部・臓器出血の診断と治療
Crohn病における出血
二見 喜太郎
1
,
東 大二郎
,
永川 祐二
,
富安 孝成
,
石橋 由紀子
,
酒井 憲見
,
三上 公治
,
張村 貴紀
,
田中 亮介
,
二木 了
,
納富 かおり
,
野田 晋平
,
前川 隆文
1福岡大学医学部附属筑紫病院 外科
キーワード:
Crohn病
,
結腸切除
,
再手術
,
消化管出血
,
内視鏡的止血
,
直腸切断術
,
カプセル内視鏡法
,
アルゴンプラズマ凝固
,
回盲部
,
小腸内視鏡法
Keyword:
Crohn Disease
,
Colectomy
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Reoperation
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Capsule Endoscopy
,
Argon Plasma Coagulation
pp.1049-1053
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002893
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当施設手術例におけるCrohn病(CD)出血例の頻度は2.5%(対手術回数17/681)で、17回のうち11回が緊急手術であった。出血病変部位は初回手術では回腸、既手術では吻合部が高頻度で、16回の手術で腸切除を行い、術中内視鏡で露出血管を確認した1例では結紮止血で腸切除を回避できた。術後出血による再手術は2例3回で、うち1例は初回から3回目まですべて出血が理由であった。近年の診断技術および薬物治療の進歩によりCD出血病変に対する内科的治療成績は向上しているが、緊急性の高い病態であることを念頭におき、常に外科との連携を考慮した対応が肝要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010