特集 すべてがわかるIBDの内視鏡
Crohn病の内視鏡 Crohn病関連腫瘍
樋田 信幸
1
1兵庫医科大学 炎症性腸疾患学講座内科部門
キーワード:
Crohn病
,
胃腸腫瘍
,
消化管内視鏡法
Keyword:
Gastrointestinal Neoplasms
,
Crohn Disease
,
Endoscopy, Gastrointestinal
pp.262-267
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020163375
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近年、Crohn病(CD)の長期経過例における大腸癌の発癌リスクは潰瘍性大腸炎と同等と認識されるようになり、本邦においてもCD病関連大腸癌の報告が増えている。また、本邦の特徴として痔瘻を含む直腸・肛門部からの発癌がきわめて多く、欧米とは異なる特徴を有している。小腸に病変のあるCD病患者においては小腸癌の発生リスクも高く、絶対数は多くないものの予後はきわめて不良である。CDに関連する消化管癌やdysplasiaがどのような内視鏡所見を呈するかについてはほとんど明らかにされておらず、欧米では潰瘍性大腸炎に準じた腫瘍性病変の内視鏡的なサーベイランスが推奨されているが、その有用性については十分に検証されていない。本邦において頻度の高い痔瘻癌を含む直腸・肛門癌を診断するためには、内視鏡検査だけではなく麻酔下の生検も必要な場合がある。
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