炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 炎症性腸疾患治療の実際
Crohn病の治療 肛門病変に対するアプローチ
小金井 一隆
1
,
辰巳 健志
,
二木 了
,
黒木 博介
,
木村 英明
,
杉田 昭
1横浜市立市民病院 炎症性腸疾患科
キーワード:
Crohn病
,
ドレナージ
,
大腸内視鏡法
,
肛門疾患
,
肛門腫瘍
,
MRI
,
裂肛
,
痔瘻
,
直腸肛門周囲膿瘍
Keyword:
Anus Neoplasms
,
Anus Diseases
,
Crohn Disease
,
Colonoscopy
,
Drainage
,
Fissure in Ano
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Rectal Fistula
pp.603-607
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019450
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Crohn病には高率に肛門病変が合併する.肛門病変は,下部直腸肛門に生じたCrohn病の潰瘍病変とその続発性病変である.代表的な病変は痔瘻,肛門周囲膿瘍,裂肛,腟瘻,(直腸)肛門狭窄などであるが,直腸肛門管がんが増加しつつあり注意を要する.症状を訴えなくても肛門病変を認める例もあり,全例に肛門部の診察を行う.肛門病変は分泌や疼痛などの症状によって生活の質(QOL)を低下させ,再燃を繰り返すことが多いため,病変を評価し,適切な治療を行う.通常診察では病変の評価が十分できない場合,内科治療前にドレナージを要する場合,内科治療で改善がない場合などには外科医,あるいは肛門科医に診察を依頼する.
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