アフェレシス療法-新たな100年に向けて 適応となる疾患とその実際
消化管疾患
矢島 知治
1
1杏林大学 医学教育学
キーワード:
Crohn病
,
血液成分除去法
,
大腸炎-潰瘍性
,
寛解導入
,
治療成績
Keyword:
Blood Component Removal
,
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Remission Induction
,
Treatment Outcome
pp.65-68
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015260349
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血球成分除去療法は,ステロイド抵抗性,ステロイド依存性,重症を含めた潰瘍性大腸炎症例に対して寛解導入を目的として用いられる.週1回よりも週2回以上の頻度で治療を行うほうが,より早く,より高率に奏効する.寛解導入率は7割にも達する一方で,副作用はあまり問題とならない.潰瘍性大腸炎に対する血球成分除去療法にはLCAPとGMAという2種類のフィルターがあり,GMAのほうが簡便性は勝り,治療効果は両者で同等とされているが,治療効果のエビデンスという点ではLCAPのほうが揃っている.クローン病に対してはGMAのみが保険適用となっており,潰瘍性大腸炎に比べるとエビデンスレベルが低いものの,症例を選べば有用である可能性がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2015