ウイルス肝炎診療の最前線と今後の展開 日常臨床のポイントと知っておきたい最新情報 C型肝炎治療の最前線
IFN free経口2剤(asunaprevir,daclatasvir)併用療法の治療成績
鈴木 文孝
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 肝臓センター
キーワード:
肝炎-C型
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
第II相試験
,
治療成績
,
Daclatasvir
,
Asunaprevir
Keyword:
Administration, Oral
,
Drug Therapy, Combination
,
Hepatitis C
,
Treatment Outcome
,
Clinical Trials, Phase II as Topic
,
BMS-790052
,
Asunaprevir
pp.675-679
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014127387
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プロテアーゼ阻害薬(asunaprevir)は,セリンプロテアーゼを直接阻害することにより,ウイルスゲノムの複製やウイルス粒子形成に必要なウイルス蛋白の産生を抑制し,ウイルス増殖を強力に阻害する.NS5A阻害薬(daclatasvir)は,NS5A蛋白を標的とする低分子阻害薬であり,ウイルス増殖抑制に大きな効果が期待されているdirect anti-viral agents製剤のひとつである.NS5A阻害薬であるdaclatasvirとプロテアーゼ阻害薬であるasunaprevir併用療法24週間投与の国内第II相試験では,genotype 1型高ウイルス量症例に対して77%のSVR率であった.daclatasvirとasunaprevir併用療法は,前治療null responderやpeginterferon(Peg-IFN)とribavirin(RBV)併用療法不適格または不耐容例に同等の治療効果を認めていた.またIL28Bの遺伝子多型には,関係なく高い効果を認め,さらに副作用は少なく,高い忍容性を認めていた.
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