特集 SASP:古くて新しい細胞老化随伴分泌現象
心血管疾患・肥満・糖尿病におけるSASPの役割
勝海 悟郎
1
,
清水 逸平
,
南野 徹
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科循環器内科学
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
加齢
,
心臓血管疾患
,
心不全
,
ストレス
,
腫瘍抑制タンパク質p53
,
糖尿病
,
動脈硬化症
,
肥満
,
マクロファージ
,
細胞老化
,
遺伝子発現プロファイリング
Keyword:
Aging
,
Cardiovascular Diseases
,
Arteriosclerosis
,
Diabetes Mellitus
,
Heart Failure
,
Macrophages
,
Obesity
,
Signal Transduction
,
Tumor Suppressor Protein p53
,
Cellular Senescence
,
Gene Expression Profiling
pp.1141-1145
発行日 2015年11月22日
Published Date 2015/11/22
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心血管疾患や肥満,糖尿病は加齢,老化とともにその発症リスクが増大する.近年の研究により細胞老化が疾患発症の基盤となることが明らかとなりつつある.種々のストレスシグナルによりp53をはじめとする老化シグナルが活性化し細胞老化を来す.細胞老化は形態変化や遺伝子発現パターンの変化などを通じてSASPを誘導する.SASPによって各組織とマクロファージをはじめとする炎症性細胞との相互作用が生じ,動脈硬化や心不全,肥満,糖尿病の発症・進展に寄与する.老化シグナルとSASPの制御は心血管疾患や糖尿病の予防,治療につながる可能性が高く,新たな治療ターゲットとして注目されている.
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