特集 活性酸素シグナル制御とレドックスホメオスタシス
心不全におけるGタンパク質の酸化修飾と活性酸素・親電子シグナル制御
西田 基宏
1
,
澤 智裕
1九州大学 大学院薬学研究院薬効安全性学分野
キーワード:
Cysteine
,
Glutathione
,
翻訳後タンパク質プロセシング
,
シグナルトランスダクション
,
活性酸素
,
酸化-還元
,
心不全
,
GTP-Binding Proteins
,
ras Proteins
,
細胞老化
,
心筋細胞
,
求電子試薬
,
8-Nitroguanosine 3',5'-Cyclic Monophosphate
Keyword:
Cysteine
,
Glutathione
,
Heart Failure
,
Oxidation-Reduction
,
Protein Processing, Post-Translational
,
Signal Transduction
,
Reactive Oxygen Species
,
Cellular Senescence
,
ras Proteins
,
GTP-Binding Proteins
,
Myocytes, Cardiac
,
8-nitroguanosine 3',5'-cyclic Monophosphate
pp.150-154
発行日 2012年1月22日
Published Date 2012/1/22
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活性酸素種(ROS)や,ROSと生体分子との反応から二次的に生成される親電子物質が心不全の発症・進展に重要な役割を果たすことが明らかにされつつある.ROS・親電子物質は,そのレセプターであるレドックスセンサータンパク質のシステインチオール基を修飾し,シグナル伝達の制御に関わる.筆者らは最近,Gタンパク質H-Rasが親電子物質に対してきわめて感受性の高いレドックスセンサーとして機能し,さらに親電子物質によるH-Rasの活性化が心筋老化の原因となることを見いだした.生体内における親電子物質の生成・消去やシグナル伝達機構の解明は,心不全など慢性炎症を基盤病態とする疾患に対する治療薬開発のための重要な手掛かりになるだろう.
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