特集 心疾患診療に活かす心臓リハビリテーション:まとめエッセンス
心臓リハビリテーションの基礎知識 運動療法を理解するための運動生理
絹川 真太郎
1
1九州大学 大学院医学研究院循環器病病態治療講座
キーワード:
Adenosine Triphosphate
,
Glucose
,
Glycogen
,
Palmitic Acid
,
運動療法
,
エネルギー代謝
,
冠循環
,
局所血流
,
筋収縮
,
呼吸
,
肺換気
,
心不全
,
肺循環
,
タンパク質生合成
,
骨格筋
,
心筋虚血
,
最大酸素摂取量
,
血行力学
,
心臓リハビリテーション
Keyword:
Palmitic Acid
,
Protein Biosynthesis
,
Muscle Contraction
,
Glycogen
,
Glucose
,
Heart Failure
,
Cardiac Rehabilitation
,
Hemodynamics
,
Regional Blood Flow
,
Respiration
,
Pulmonary Ventilation
,
Coronary Circulation
,
Adenosine Triphosphate
,
Myocardial Ischemia
,
Muscle, Skeletal
,
Energy Metabolism
,
Exercise Therapy
,
Pulmonary Circulation
pp.692-698
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2020279784
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1 運動中は骨格筋代謝増大に見合うだけの酸素流量の増加を必要とし、血液から抽出した酸素量の増加、末梢血管床の拡張、心拍出量の増加、肺血管の動員と拡張による肺血流量の増加、および換気量の増加によって達成される。2 軽度から中等度の運動では有酸素代謝でエネルギーを得るが、強度が強い運動では有酸素代謝に加えて無酸素代謝でのエネルギーを必要とし、それに応じて乳酸蓄積が増大するとともに、二酸化炭素排泄が増大する。3 運動中には機械的、代謝性、自律神経性、ホルモン性の4つの基本的な機序が働き、抵抗血管の拡張、心拍出量増加をもたらすとともに、全身の血流再配分を行い、動脈圧の維持・活動筋への酸素供給を行う。4 心不全患者では心機能障害だけでなく、骨格筋エネルギー代謝障害、骨格筋萎縮、骨格筋線型変移などの骨格筋異常が知られており、特に骨格筋代謝の限界が運動の限界であることが報告されている。
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