特集 心筋性状・機能診断を考える-病理と画像が意味するもの-
診る 診断に辿り着くまでの方法 心筋生検 光学および電子顕微鏡から心筋性状を読み解く、心機能を推測する
竹村 元三
1
1朝日大学 歯学部総合医科学講座内科学分野
キーワード:
顕微鏡検査法
,
電子顕微鏡検査法
,
心筋疾患
,
心筋症-拡張型
,
心筋症-肥大性
,
心不全
,
生検
,
心筋細胞
,
間質反応
Keyword:
Biopsy
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
,
Heart Failure
,
Cardiomyopathies
,
Microscopy
,
Microscopy, Electron
,
Myocytes, Cardiac
pp.923-931
発行日 2017年9月9日
Published Date 2017/9/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017373891
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一般的に病的組織の構造異常を知ることは,疾患をより本質的に理解することにつながる。心疾患の検査法の多くは機能的生理学的異常の検出法であり病因論的メカニズムを明らかにするためのものは少ない。この意味で心筋生検法は心疾患の診断ならびに治療方針決定上,重要かつ特異な位置を占める。しかしながら心筋症などでは比較的特徴的な病理形態所見を伴うものの,それのみで確定診断には到らないことが多く,患者の臨床背景(現病歴,既往歴,家族歴,生活習慣)ならびに現症,心エコー,心臓カテーテル,核医学的検査所見などを十分把握することが重要である。本稿ではまず心筋組織採取に必要な心筋生検について概要を述べ,心筋生検からわかる心筋性状の異常について概説する。次に特定心筋症のうち拡張型ならびに肥大型心筋症の特徴的な病理組織所見を呈示,さらに特異的病理所見を呈する二次性心筋症の症例を示すが,この診断に電子顕微鏡検査がきわめて有用であることに言及する。最後に病理所見からの心機能推測の可能性について考察する。
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