糖尿病治療のパラダイムシフト
2型糖尿病における食事療法の現状と課題
宇都宮 一典
1
1東京慈恵会医科大学 糖尿病代謝内分泌内科
キーワード:
エネルギー摂取量
,
食事療法
,
体重減少
,
糖尿病-2型
,
治療成績
,
低脂肪食
,
地中海食
,
低炭水化物食
Keyword:
Energy Intake
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Diet Therapy
,
Weight Loss
,
Treatment Outcome
,
Diet, Fat-Restricted
,
Diet, Mediterranean
,
Diet, Carbohydrate-Restricted
pp.11-16
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014057528
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食事療法は2型糖尿病の治療の根幹をなすが,食に対する価値観の多様化から,定型的な食事指導は困難になっている.炭水化物制限による体重減少,血糖改善効果を明確に抽出することは困難であり,極端な炭水化物制限の効果は,摂取エネルギーも減少することや遵守率が不良であることなどから,その科学的根拠を評価することはできない.糖尿病の食事療法について,栄養学的見地からみた科学的検証が不十分であることは否めない.食事療法の研究は,薬物療法のそれとは異なった諸種の困難を包含している.日本人糖尿病の病態に相応しい食事療法のあり方について,地道なエビデンスの構築が求められている.
©Nankodo Co., Ltd., 2014