発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2016270186
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【目的】臍帯血移植(CBT)において生着不全を呈した1例の介入経過から、栄養パスのアウトカムに影響する関連因子を明らかにする。【対象】2014年に静岡がんセンター血液幹細胞移植科において、CBT後生着不全を呈し2回目の治療(CBT)を施行した1例とした。【方法】前処置開始前から2回目の治療を経て、静脈栄養が終了するまでの間、栄養パスのアウトカムである体重変化率(体重減少率:%LBW7.5%>)と、BEE充足率を評価した。栄養パスのアウトカムに影響する栄養関連有害事象および喫食率と経口摂取熱量の関係性を調査した。【結果】65歳男性、身長164.4cm、BMI19.1、%IBW87%。介入期間は84日間であり、%LBW3%、BEE充足率は115%であった。栄養関連有害事象および喫食率と経口摂取熱量に統計学的有意な相関が見られた。(r=-0.6、r=0.6)【結論】栄養パスのアウトカムに影響する関連因子は、患者の主訴と、病棟栄養士による患者カウンセリングおよび医師により投与される熱量のコントロールと、病院食担当栄養士によるテーラーメイド食事サービスであり、その3因子が有機的に関連し、その複合点であるアウトカムは達成されていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016