糖尿病診療の新時代 2010年代の展望
低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義
江部 康二
1
1高雄病院
キーワード:
Glucose
,
Ketone Bodies
,
血糖
,
体重減少
,
糖尿病
,
脳
,
リスク
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
低炭水化物食
Keyword:
Blood Glucose
,
Brain
,
Diabetes Mellitus
,
Glucose
,
Ketone Bodies
,
Risk
,
Weight Loss
,
Treatment Outcome
,
Practice Guidelines as Topic
,
Diet, Carbohydrate-Restricted
pp.100-103
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082284
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三大栄養素のうち、糖質だけが食後血糖値を急峻に上昇させる。三大栄養素のうち、蛋白質・脂質は食後血糖値を上昇させない。動脈硬化のリスクであるグルコーススパイクを生じるのは、糖質だけである。2型糖尿病患者で、同一カロリーの従来食(高糖質食)と低糖質食の日内変動を比較する。低脂質食は、乳癌・大腸癌・心血管疾患のリスクを減少させない。日本の低糖質食治療の歴史を概観する。ADA糖尿病食ガイドラインの変遷を紹介する。1900年代初期、糖質20%時代が続いていた。海外の低糖質食論文を概観する。カロリー制限なし低糖質食は、カロリー制限あり低脂質食よりも、体重減少効果がある。脳は、ブドウ糖だけでなくケトン体も利用する。
©Nankodo Co., Ltd., 2010