貧血 実臨床に役立つ診療のポイントと最新の知見 貧血の病態 最新の知見を中心に
鉄代謝に関する新知見
張替 秀郎
1
1東北大学 大学院医学系研究科血液・免疫病学
キーワード:
Transferrin
,
Transferrin Receptors
,
腸管吸収
,
マクロファージ
,
Hepcidins
,
Heme Iron
,
Nonheme Iron
Keyword:
Intestinal Absorption
,
Macrophages
,
Receptors, Transferrin
,
Transferrin
,
Hepcidins
pp.219-222
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013260814
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鉄は十二指腸からヘム鉄もしくは非ヘム鉄として吸収される.フェロポーチンは十二指腸上皮細胞およびマクロファージから血液中へ鉄を排出する分子である.ヘプシジンはフェロポーチンの分解を誘導する鉄利用の抑制ペプチドで,肝臓から分泌される.血液中に排出された鉄はトランスフェリンと結合し,骨髄などの組織に運搬され利用される.生体内の鉄の総量は3~4gでその約7割が赤血球造血に用いられる.食餌鉄として吸収される鉄が1日当たり1~2mgであるのに対し,マクロファージで分解された赤血球由来鉄は1日当たり20~25mgである.したがって,生体で利用される鉄は新たに体内に取り込まれる鉄量より再利用鉄量のほうが多い.
©Nankodo Co., Ltd., 2013