発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013260576
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63歳男。咳嗽と発熱を自覚し肺炎を疑われ紹介となった。炎症反応の中等度上昇と貧血、血清鉄の低下およびAST、ALT、LDHの軽度上昇を認めた。腫瘍マーカーはSCC、CYFRA、CEA、CA19-9がそれぞれ軽度上昇していたが、ProGRP、NSEは正常範囲内であった。胸部X線所見は左下肺野の濃度上昇、右肺門に結節影を認め、左下葉の背側に58×27mm大の腫瘤影を認めた。胸部造影CTでは、左鎖骨上窩リンパ節、上縦隔リンパ節、分岐部リンパ節、左の肺門リンパ節、左右の葉気管支間リンパ節の腫大を認め、左S10に不整形の充実性腫瘤を認め、両側の背側胸膜下に蜂窩肺が見られた。気管支鏡では、気管支粘膜は分岐部より左側にかけて発赤、浮腫を認めた。経気管支肺生検を行い病理組織所見より、LELCと診断した。原発巣のEBER-1、ISH法で一部のリンパ球に陽性所見を認めた。明らかな転移は認めず、cT2N3M0 IIIB期で化学療法の適応と考え、Carboplatin+TS-1投与を4週ごとに4コースを予定した。化学療法2コース後の腫大リンパ節と原発巣は著しく縮小し、PRと判定し、発熱もなく全身状態PS 0で終了とした。
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