震災医療-来るべき日への医療者としての対応
《急性期が過ぎた後に顕在化してくる病態》消化管機能異常症
前嶋 隆平
1
,
土佐 正規
,
樋渡 信夫
1いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科
キーワード:
潰瘍
,
大腸内視鏡法
,
心理的ストレス
,
直腸疾患
,
便秘
,
精神的ケア
,
災害医学
,
腹部CT
,
東日本大震災
Keyword:
Constipation
,
Colonoscopy
,
Rectal Diseases
,
Stress, Psychological
,
Ulcer
,
Disaster Medicine
pp.1004-1007
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013059508
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<ポイント>・消化管機能は規則正しい食事生活により規則正しい排便習慣が形成されるが、東日本大震災の発生後には大きな生活環境の変化が生じた。規則正しい生活は困難となり、水分摂取不良、体動不良、下剤等の薬剤の確保困難、また精神的ストレスなどから便秘を中心とした消化管機能異常症が徐々に出現してきた。・宿便により潰瘍、腸管穿孔、腸閉塞、閉塞性大腸炎なども生じることがあり、できるだけ早めの対処が求められる。・水分・食事の確保、排便環境を含めた生活環境の整備をできるだけ早期に整え、薬剤確保や精神的ケアを含めた医療の早期介入が必要である。・大震災後の地元医療機関の機能低下も考え、医療支援も重要となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012