震災医療-来るべき日への医療者としての対応
《急性期が過ぎた後に顕在化してくる病態》災害と腎・尿路系疾患
宮崎 真理子
1
1東北大学病院 血液浄化療法部
キーワード:
環境汚染
,
血液透析
,
腎臓疾患
,
腎不全-慢性
,
尿路感染症
,
災害医学
,
慢性腎臓病
,
糸球体腎炎-急性
Keyword:
Environmental Pollution
,
Renal Dialysis
,
Kidney Diseases
,
Kidney Failure, Chronic
,
Urinary Tract Infections
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Disaster Medicine
pp.1015-1018
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013059511
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<ポイント>・災害とは、安全で衛生的、快適な生活を維持することを困難にする現象である。このため、直後から被災者には新たな健康リスクが発生する。・腎臓領域では災害時緊急医療の面から、外傷、低体温や脱水、熱傷、圧挫症候群などによる急性腎障害、急性血液浄化療法への備えが当初必要である。・被災者の尿路感染症を防ぐために飲料水、トイレの整備が重要である。・被災者は呼吸器、消化管感染症リスクが高く、腎不全の急性増悪や感染後糸球体腎炎の原因にもなる。・慢性腎臓病(CKD)の治療中断は心血管系、糖尿病、免疫系など、広範囲に影響が出る。・地域医療の復旧、住民生活の再建の途上では、腎臓病などの重大な疾患が診断や治療の遅れにつながりやすい。
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