震災医療-来るべき日への医療者としての対応
《急性期が過ぎた後に顕在化してくる病態》静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症)
田中 純太
1
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科健康増進医学講座
キーワード:
危険因子
,
血栓塞栓症
,
肺塞栓症
,
予後
,
アルゴリズム
,
静脈血栓症
,
地震
,
災害医学
Keyword:
Algorithms
,
Risk Factors
,
Pulmonary Embolism
,
Prognosis
,
Thromboembolism
,
Venous Thrombosis
,
Disaster Medicine
,
Earthquakes
pp.995-998
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013059506
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<ポイント>・平成16年新潟県中越地震以来、地震災害における静脈血栓塞栓症が注目され、「エコノミークラス症候群」として報道されている。・静脈血栓塞栓症の基本病態は、ひらめ静脈などに生じた下肢深部静脈血栓症であり、ここから肺血栓塞栓症を発症する。・窮屈で不活発な避難生活(血流うっ滞)、下肢外傷(静脈壁損傷)、そして水分不足やストレス(血液凝固亢進)が主な成因である。・震災現場の肺血栓塞栓症診断は、まず鑑別にあがることが重要で、Wellsスコアの臨床的可能性と下肢静脈エコー検査で進める。・被災地の肺血栓塞栓症治療や予防では、救護・支援体制の確立以上に、避難所の環境整備、保健指導や弾性ストッキングが重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012