発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012220180
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82歳女。非持続性心室頻拍で2ヵ月前よりamiodarone内服を開始していた。今回、腹部膨満感より大量の腹水貯留を認め入院となった。片側腎摘出後と脱水による腎不全、貧血、軽度のGOT、LDHの上昇を認めた。amiodarone服用のため甲状腺機能検査を実施したところ、著明な甲状腺機能低下症を認めた。サイログロブリン(Tg)抗体と甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体が陽性、TSH刺激性レセプター抗体(TSAb)は高値を認めた。腹水穿刺にてCA125の上昇を認めたが、腹水総蛋白は低値でSAAGは958%と高値であった。Levothyroxineを25μgから開始し漸増した。20日目頃から腹水貯留は減少し、150μgまで増量して腹水は消失し、第34病日に退院となった。退院後TSAbは正常化し、甲状腺機能は正常域を維持し、腹水の再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012