発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005251883
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67歳男.3年前より耐寒能の低下を自覚していた.10ヵ月前に両下肢筋肉痛が出現し,CPK 55220U/L,Cr 1.4mg/dl,FT4 0.06ng/dl,TSH 34.6μU/mlであったことより,横紋筋融解症・腎不全を併発した甲状腺機能低化症と診断された.Levothyroxine(l-T4)の投与で速やかにCPK値は正常化したが,退院から2ヵ月でl-T4の内服を自己中断していた.その後徐々に両下肢の筋肉痛が増悪し,筋原性酵素,Crの上昇を認め,FT3,FT4は低下し,TSHは高値であった.胸部X線では心胸郭比55.0%,超音波で心嚢液の貯留と軽度の甲状腺腫大を認めた.甲状腺機能低化症による横紋筋融解症と診断し,l-T4の投与を再開した.Cr値は入院1週間以内に正常化し,筋原性酵素も投与6週間後には正常化した
©Nankodo Co., Ltd., 2005