発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017162632
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
80歳男。心不全の治療歴があり、今回、全身倦怠感、筋力低下、顔面・四肢の浮腫、嘔吐・下痢が出現し、血圧低下も認めた。入院時、意識レベルは低下し、検査所見で炎症反応の上昇(ウイルス感染)、低Na血症、腎機能の悪化、甲状腺自己抗体陰性の甲状腺機能低下症を認めた。また、血性アミロイドAが高値で、心電図・心エコー・心生検所見より心アミロイドーシスと診断し、免疫組織化学的所見よりtransthyretin amyloidosisと判断した。更に、甲状腺エコーでびまん性腫大を、細胞診でアミロイド様の沈着物を認め、アミロイドーシスによる甲状腺機能低下症と診断した。日本甲状腺学会粘液水腫性昏睡の診断基準の必須項目、症候・検査項目を全て満たしていることから、同症と診断した。Hydrocortisone投与を開始し、漸減と共にlevothyroxineを低用量で開始したところ、症状、検査所見、全身状態は改善し退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017