発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012041786
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85歳男。僧帽弁逆流症に対し人工弁置換術後、心房細動と慢性心不全で通院中に非持続性心室頻拍(NSVT)でamiodaron内服を開始した。植え込み型除細動器挿入で維持量に減量した。約3年後に再発し入院となり、amiodaronを200mgに増量した。その後、心不全で再入院しfurosemide内服を開始した。保存的治療の約1年後に肝機能異常を指摘され、紹介となった。紹介時、肝胆道系酵素の上昇および低Na血症を認め、腹部CTでは肝実質CT値の上昇を認めた。高齢でwarfarin服用中のため肝生検は行わず、ursodeoxycholic acid等の内服で肝障害は速やかに改善したため退院となった。約3ヶ月後、軽症肺炎で再入院し、抗生剤で改善したが肝障害は悪化、AST、ALTも上昇した。肝臓CT値は高値でamiodaron血中濃度は中毒域を呈したため、amiodaronを中止したところ、徐々に肝逸脱酵素は減少し、薬剤中止3ヵ月で基準値となり、6ヵ月後に肝臓CT値は正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011