今、認知症にどう向き合うか
アルツハイマー病 薬物治療の今後
田平 武
1
1順天堂大学 大学院医学研究科認知症診断・予防・治療学
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
生物学的マーカー
,
神経成長因子
,
Protease Inhibitors
,
血糖降下剤
,
降圧剤
,
能動免疫療法
,
Tau Proteins
,
抗認知症剤
,
未病
,
Alzheimer病ワクチン
,
Amyloid Precursor Protein Secretases
,
分子標的治療
,
脂質代謝改善剤
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Antihypertensive Agents
,
Hypoglycemic Agents
,
Protease Inhibitors
,
Biomarkers
,
Amyloid beta-Peptides
,
Immunotherapy, Active
,
tau Proteins
,
Nootropic Agents
,
Nerve Growth Factor
,
Alzheimer Vaccines
,
Amyloid Precursor Protein Secretases
,
Lipid Regulating Agents
,
Molecular Targeted Therapy
pp.746-752
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012211092
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●アルツハイマー病のdisease modifying drugの開発が鋭意進められている。中でも抗体療法がもっとも進んでおり、bapineuzumabとsolanezumabについてはphase IIIの結果が今年発表される。有効性、認容性、安全性が確認されれば初のdisease modifying drugとして承認されるであろう。しかし、有効性があるとしてもphase IIの結果をみる限り病気の進行を止めたり、著しく緩徐にする効果は期待されない。●近年バイオマーカーの研究が進み、アミロイドの蓄積は認知症を発症する20年も前から始まっていることがわかった。ワクチン療法は脳のアミロイドの除去に成功したが、認知機能の改善は得られなかったように、認知症発症後の治療ではもはや遅いのではないかと考えられるようになった。そこでpreclinical ADの段階で診断し治療しようとする試みが行われようとしている。
©Nankodo Co., Ltd., 2012