特集 認知症を取り巻く現状:バイオマーカー、根本治療薬ってなに?
認知症研究の最前線 世界はgame changerを待っている Alzheimer病根本治療薬開発状況
稗田 宗太郎
1
,
小野 賢二郎
1昭和大学 医学部内科学講座脳神経内科学部門
キーワード:
Alzheimer病
,
Cromoglicic Acid
,
Ibuprofen
,
多剤併用療法
,
薬学史
,
Amyloid Beta-Protein Precursor
,
Tau Proteins
,
抗認知症剤
,
医薬品開発
,
Alzheimer病ワクチン
,
Aducanumab
,
Gosuranemab
Keyword:
Nootropic Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
History of Pharmacy
,
Ibuprofen
,
Amyloid beta-Protein Precursor
,
tau Proteins
,
Drug Development
,
Cromolyn Sodium
,
Alzheimer Disease
,
Alzheimer Vaccines
,
Aducanumab
,
Gosuranemab
pp.611-615
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022195228
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<Headline>1 現在使用可能なAlzheimer病(AD)治療薬にはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体拮抗薬があるが、これら薬剤は症状改善薬でありADの病理変化自体は食い止められず、症状はいずれ進行する。そこで病理変化自体を食い止める疾患修飾薬の開発が盛んに行われている。2 AD発症の背景にあると考えられているアミロイド仮説に基づいて、病態ステージに応じた様々な根本治療薬が開発されてきた。残念ながら多くは失敗に終わったが、いくつかの有望な薬剤も残っている。3 2021年6月、米国食品医薬品局(FDA)はAD根本治療薬であるaducanumabを条件付きで承認し、2003年にメマンチンが承認されて以来の久々の新薬登場となった。日本国内での承認の可否は2021年12月に継続審議となっている。
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