特集 アルツハイマー病の根本治療に向けた研究最前線
APPプロセシングとAβ産生過程 AD治療標的としてのセクレターゼの可能性
Vetrivel Kulandaivelu S.
1
,
Thinakaran Gopal
1米国
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
翻訳後タンパク質プロセシング
,
Amyloid Beta-Protein Precursor
,
ノックアウトマウス
,
Presenilins
,
Amyloid Precursor Protein Secretases
,
分子標的治療
,
Beta-Site APP Cleaving Enzyme 1
,
APH-1 Protein
,
PEN-2 Protein
,
Nicastrin Protein
,
ADAM10 Protein
Keyword:
Alzheimer Disease
,
ADAM10 Protein
,
Protein Processing, Post-Translational
,
Amyloid beta-Peptides
,
Amyloid beta-Protein Precursor
,
Mice, Knockout
,
Presenilins
,
Amyloid Precursor Protein Secretases
,
Molecular Targeted Therapy
,
Nicastrin Protein
,
PSENEN Protein, Human
,
BACE1 Protein, Human
pp.1090-1106
発行日 2012年9月22日
Published Date 2012/9/22
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アルツハイマー病(AD)は高齢者の認知症の中でも頻度の高い疾患である.AD患者では,38〜 43 アミノ酸のβ -アミロイド(Aβ)ペプチドの脳内への顕著な蓄積が認められ,老人斑と呼ばれている.これまでの研究からAβペプチドによってシナプス機能不全や認知機能の低下がもたらされるというエビデンスが確立されており,Aβペプチドはβ - アミロイド前駆体タンパク質(APP)から,BACE1 およびγ - セクレターゼと呼ばれる膜貫通型プロテアーゼを介したタンパク質分解によって産生されることがわかっている.Aβペプチドの産生,沈着がADの発症につながると考えられる以上,セクレターゼによるAPP切断の分子機構を解明することこそがADの根本的治療法の開発につながると期待されるものである.本稿では,APPとBACE1,γ - セクレターゼの分子生物学とAβ産生の調節機構に関する最新の知見について概説し,あわせてAβを減少させる新規治療法につながる研究の現況についても考察したい.
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