特集 アルツハイマー病の根本治療に向けた研究最前線
γセクレターゼ活性制御機構の解明とアルツハイマー病治療薬開発
富田 泰輔
1
,
岩坪 威
1東京大学 大学院薬学系研究科臨床薬学教室
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
シグナルトランスダクション
,
構造活性相関
,
酵素阻害剤
,
分子構造
,
Notch Receptors
,
Presenilins
,
新薬開発
,
Amyloid Precursor Protein Secretases
,
タンパク質分解
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Enzyme Inhibitors
,
Structure-Activity Relationship
,
Signal Transduction
,
Amyloid beta-Peptides
,
Molecular Structure
,
Receptors, Notch
,
Presenilins
,
Drug Discovery
,
Amyloid Precursor Protein Secretases
,
Proteolysis
pp.1107-1112
発行日 2012年9月22日
Published Date 2012/9/22
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アミロイドβペプチドの産生を行うγセクレターゼは,通常,疎水性環境に存在する膜貫通領域を加水分解する特殊なプロテアーゼである.一方,γセクレターゼがNotchシグナルに必要な分子であることも明らかとなり,アルツハイマー病治療薬開発においては副作用という観点から,基質もしくは切断特異的な活性制御法の確立が求められている.しかし,膜タンパク質複合体であるγセクレターゼの詳細な構造活性相関の理解には至っておらず,いまだγセクレターゼ活性制御法のラショナルデザイン(タンパク質立体構造の情報に基づいた合理的な薬剤設計)には至っていない.本稿においては,γセクレターゼの酵素学的性質と構造との相関について,創薬の観点を含めてまとめてみたい.
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