不整脈の治療は新時代に-一般臨床医が主役の新しい心房細動診療
《新しい抗凝固薬は時代を変える》 心房細動治療においてなぜ脳梗塞と脳出血が低率なのか
矢坂 正弘
1
1国立病院機構九州医療センター 脳血管センター脳血管・神経内科
キーワード:
Warfarin
,
抗凝固剤
,
心房細動
,
経口投与
,
脳梗塞
,
脳出血
,
治療成績
,
Apixaban
,
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Edoxaban
Keyword:
Rivaroxaban
,
Dabigatran
,
Administration, Oral
,
Anticoagulants
,
Atrial Fibrillation
,
Warfarin
,
Treatment Outcome
,
Brain Infarction
,
Intracranial Hemorrhages
,
Apixaban
,
Edoxaban
pp.57-61
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012118547
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・新規経口抗凝固薬はwarfarinと同等か、それ以上の脳卒中や全身塞栓症発症予防効果を示しつつも、脳内出血や頭蓋内出血を大きく減らすことが第III相試験(RE-LY、ROCKET AF、ARITOTLE)で示されている。・新規経口抗凝固薬で脳内出血や頭蓋内出血がwarfarin療法より少ない理由として、(1)脳内に組織因子が多く、第VII因子との複合体が形成されやすいため、凝固カスケードの初期反応が起こりやすいこと、(2)血中濃度にピークとトラフを有し、トラフでは出血時の生理的止血機構を阻害しにくいこと、(3)安全域が広いこと、(4)凝固カスケードにおける抑制ポイントが1ヶ所のみと少ないことがあげられる。・脳梗塞の既往が頭蓋内出血のリスクであることを考慮すると、頭蓋内出血が少ないプロファイルは、脳梗塞の再発予防にきわめて望ましいと考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012