不整脈の治療は新時代に-一般臨床医が主役の新しい心房細動診療
《新しい抗凝固薬は時代を変える》 新しい抗凝固薬の処方の実際とwarfarinとの使い分け
高橋 尚彦
1
1大分大学 医学部臨床検査・診断学
キーワード:
Warfarin
,
外科手術
,
血液凝固検査
,
出血
,
薬剤処方
,
投薬計画
,
Dabigatran
Keyword:
Dabigatran
,
Blood Coagulation Tests
,
Drug Administration Schedule
,
Hemorrhage
,
Drug Prescriptions
,
Surgical Procedures, Operative
,
Warfarin
pp.62-65
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012118548
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・dabigatranには、薬物相互作用が少なく食物相互作用がないなどの利点がある。・dabigatranは腎排泄の薬剤であり、透析を含む高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30ml/min未満)には禁忌である。また、(1)中等度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30~50ml/min)、(2)P糖蛋白阻害薬内服中、(3)70歳以上、(4)消化管出血の既往、に該当する場合は低用量とする。・dabigatranに特有の副作用として消化器症状(dyspepsia)が多い。また高齢者で消化管出血が多いことにとくに注意が必要である。・出血時には内服中止と確実な止血操作を行う。観血的処置を行う際には24時間前に中止するが、リスクの高い場合には2日以上前からの中止およびheparinなどによる代替療法が必要である。・CHADS2スコアが1点で新規に抗凝固療法を始める場合はwarfarinよりもdabigatranが望ましい。・warfarin内服中であっても、プロトロンビン時間(PT-INR)が不安定な患者、納豆禁止などの食事制限がQOLを低下させている患者ではdabigatranへの変更を考慮する。
©Nankodo Co., Ltd., 2012