発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012041785
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SLEの中期に流早産の既往がありAPS診断基準の抗体が陰性でありながら、臨床的にAPS様の2例に対し妊娠初期に大量ガンマグルブリン療法(IVIG)を施行し生児を得た。症例1は34歳女で、初回妊娠時(30歳)23週に早期PIH(妊娠時高血圧)を発症し、新生児早期死亡でSLEと診断された。2回目妊娠時(31歳)は19週に早期PIHで妊娠26週に子宮内胎児死亡(IUFD)となり、APSを疑ったが抗リン脂質抗体は陰性であった。3回目妊娠時(34歳)にLDA、heparinを開始し、妊娠6週にIVIGの施行直後よりSLEが増悪したためPSLを開始したが、妊娠32週ごろ胎児発育不良(IUGR)を認めたため、妊娠34週に帝王切開にて男児を出産した。症例2は38歳女で、20歳時にSLEと診断され、PSLを開始した。初回妊娠(25歳)は自然流産、2回目妊娠(25歳)は26週に帝王切開で児を出産したが、3回目は流産、4、5回目はIUFDでAPSを強く疑ったが、抗PS/PT以外は陰性であった。6回目妊娠時(38歳)にLDA、heparinを開始し妊娠7週にIVIGを施行し、SLEにPSLを継続し妊娠25週に帝王切開にて男児を出産した。正期産まで維持するにはIVIGの施行のタイミングや回数の検討が必要と考えられた。
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