発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006184121
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膠原病の発症は女性に多く,また妊娠中,免疫系はTh1に傾くことより,妊娠出産と膠原病との相互関係は重要である.SLE患者の妊娠出産は流産・早産,子宮内胎児死亡などの割合が高く,妊娠産褥期の全身性エリテマトーデス(SLE)の再燃率も40~50%とされているが,寛解状態での妊娠では転帰は改善している.妊娠・授乳中,prednisolone(PSL)30mg/dayまではほとんど胎児に影響がない.関節リウマチ(RA)の妊娠出産では抗リウマチ薬(DMARDs)の胎児への影響が問題であり,活動性が低下している状態で,DMARDsを中止しての計画的な妊娠が望ましい.膠原病患者で妊娠出産が許容される条件は,半年以上原疾患が寛解状態にあり,臓器障害がないこと,PSL 15mg/day以下の維持量であること,抗リン脂質抗体や抗SS-A/SS-B抗体が陰性か,またはこれら抗体に関連する反復流産歴がないこと,などである
©Nankodo Co., Ltd., 2006