特集 生物学的製剤・副作用
臨床例
TNF-α阻害薬投与中に発症したoverlap症候群
秦 舞子
1
,
周 円
,
藤澤 智美
,
加納 宏行
,
清島 真理子
,
濱口 儒人
1岐阜大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Crohn病
,
IgG
,
Prednisolone
,
エリテマトーデス-全身性
,
生検
,
多剤併用療法
,
皮膚筋炎
,
大量薬物療法
,
Infliximab
,
静脈内注入
,
未分化結合組織病
Keyword:
Undifferentiated Connective Tissue Diseases
,
Infliximab
,
Biopsy
,
Dermatomyositis
,
Crohn Disease
,
Drug Therapy, Combination
,
Immunoglobulin G
,
Infusions, Intravenous
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Prednisolone
pp.421-424
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014240728
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>近年、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬などに対し、TNF-αを標的とした生物学的製剤の有効性が報告されているが、その一方で、多様な副作用も報告されている。今回、TNF-α阻害薬投与中にoverlap症候群を生じた1例を経験した。TNF-α阻害薬によって引きおこされる薬剤誘発性ループスの報告は多いが、皮膚筋炎の報告は少ない。自験例は、インフリキシマブ投与後に薬剤誘発性ループスを、アダリムマブ投与後に皮膚筋炎を発症したまれな症例であった。TNF-α阻害薬は自己免疫疾患の治療薬として使用される一方で、全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎などの自己免疫疾患を誘発させるというパラドキシカルな側面が知られており、使用の際には十分な注意が必要である。
Copyright© 2014 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.