発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011306522
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33歳女。21歳時に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断され、ステロイド投与されていたが、ここ数年無治療で血小板数は3~6×10^4/μl程度を推移していた。今回、妊娠を契機に血小板数が低下し、プレドニソロンを開始され、妊娠14週に紹介受診となった。PSL 20~30mg/dayでフォローしていたが、血小板数は徐々に低下し、妊娠20週頃には50mg/dayに増量しても、血小板数は1.9×10^4/μlまで低下したため、γ-グロブリン大量療法(IVIG)を行った。血小板数が3.7×10^4/μlまで増加した妊娠23週0日に開腹脾摘出術を行い、術後の血小板数は上昇した。切迫早産で妊娠28週に入院し、血小板が徐々に低下したため、33週2日からIVIGを行い、血小板数は12.6×10^4/μlまで増加した妊娠34週0日に帝王切開にて出産した。産後13週でPSL投与を終了し、血小板数は3~6×10^4/μl台を推移した。出生児は新生児血小板減少症と診断されたが、日齢18より血小板は増加傾向となり、生後1ヵ月半に3.8×10^4/μl、生後5ヵ月に37.2×10^4/μlまで上昇した。
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