発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015042043
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31歳女。全身性エリテマトーデス(SLE)により、prednisolone(PSL)とtacrolimusの治療を行っていた。妊娠を機にPSL単剤にて加療されていたが、妊娠35週4日に発熱、鼻出血、著明な血小板減少を認め、当院入院となった。SLEの再燃と考え、PSLとガンマグロブリン大量療法と血小板輸血を施行したところ、血小板数は回復をみられたが、発熱が持続するため感染症を疑い、血液培養検査よりListeria monocytogenesを検出し、ampicillin(ABPC)に変更した。胎児の予後と母体のSLE悪化の危険性を考慮し、帝王切開にて挙児を行い、母体と児を別々に治療した。妊娠36週2日で児は出生し、身体所見に異常はなく、リステリア感染の徴候は認めなかったが、予防投与でABPCを5日間行い、現在も順調に発育をした。一方、母体は、ABPCを2週間投与し、リステリア感染症の再発はなく、PSLを漸減してもSLEの再燃は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014