発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012041784
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68歳男。全身倦怠感を自覚、その後体動困難となり、低Na血症を認めたため緊急入院となった。胸部X線、CTで右肺門部に腫瘤を認め、原発性肺癌が疑われた。精査の結果、限局型小細胞肺癌(LD-SCLC)、RUL、cT4N3M0-IIIbおよび抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)と診断した。Carboplatin(CBDCA)+Etoposide(VP16)1コース終了後、遷延した低Na血症に対しmozavaptan投与を行ったところ低Na血症は一時改善した。2コース目のCBDCA+VP16は、VP16によるアナフィラキシーショックのため中止し、CBDCA+irinotecanに変更した。低Na血症の再燃に対し、mozavaptan 30mg/dayを5日間投与し、一旦は正常化した。しかし、再び低Na血症が出現したため、mozavapan 30mg/dayを4日間投与したところ改善した。その後腫瘍の増大と腫瘍マーカー上昇を認め、PDと判断しamrubicin単剤療法に変更したところ、腫瘍は縮小し、腫瘍マーカーも低下し、血清Na濃度も正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011