発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011345504
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91歳女。12年前にSjoegren症候群と診断され、プレドニソロンを内服していた。今回、39℃の発熱で抗生剤levofloxacin投与を受けたが解熱せず、精査・加療目的で紹介入院となった。軽度貧血、足背に軽度浮腫、CRP上昇、腎機能低下、血糖は高値であった。尿定性検査で白血球、潜血、亜硝酸塩が陽性、尿沈渣でも白血球数増多を認め、腎盂腎炎と診断した。抗生剤sulbactam(STB)/ampicillin(ABPC)の点滴で解熱し、検査所見も改善したが嘔気を訴えた。上部消化管内視鏡で咽頭に約8mmの円形の潰瘍、頸部食道に多発性に縦走する潰瘍を認めた。生検を行ったところ、ヘルペスウイルスの核内封入体に相当する所見がみられ、ヘルペス食道炎と診断した。すでに症状は軽快し、2回目の内視鏡検査でも咽頭潰瘍および食道潰瘍の消失を認めたため、抗ウイルス薬投与は行わなかった。咽頭潰瘍も食道潰瘍と同じ経過であり、ヘルペス咽頭炎と診断した。
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