発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002011275
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
17歳男.発熱,咳嗽,咽頭痛,胸骨後部痛を主訴とした.内視鏡検査で下部食道を中心に類円形の打ち抜き様潰瘍が多数認められ,一部に縦走するびらんと白苔が認められた.食道の潰瘍辺縁部から生検した病理組織像では,食道上皮の肥厚,リンパ球,好中球などの炎症細胞浸潤がみられ,ヘルペス感染に特徴的とされているfull型の核内封入体を有する細胞が認められた.単純ヘルペスウイルス(HSV)のIgM抗体の上昇を認め,以上の所見から,HSV感染によるヘルペス食道炎と診断した.制酸薬,粘膜保護薬などによる対症療法を行い,症状は比較的速やかに改善した.
©Nankodo Co., Ltd., 2001