発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011345505
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54歳男。10年前頃から階段の昇降困難を自覚し、徐々に平地の歩行障害も増悪したため精査目的に紹介入院した。下肢優位の腱反射亢進、病的反射、筋トーヌス亢進を認め、痙性歩行であった。AST 18U/l、ALT 17U/l、LDH 153U/l、CK 333U/l、Ca 9.0mg/dl、CRP 0.08mg/dlと軽度のCK上昇がみられた。X線、CTで両側肺門部リンパ節腫脹を認めたが、脳・全脊髄MRI、髄液検査、末梢神経伝導速度検査に異常は認めなかった。大腿MRIを行ったところ、大腿筋肉内に内部がlow intensity、周辺がhigh intensityとなる腫瘤性筋サルコイドーシスを疑わせる病変の散在を認めた。その病変はGaシンチで縦隔肺門リンパ節、両側下腿に異常集積が認められた。右大腿四頭筋外側部の筋生検を行ったところ、多核巨細胞と炎症細胞浸潤を伴った非乾酪壊死が散見され、筋サルコイドーシスと診断した。ステロイドパルス2クール後にprednisolone投与にて異常信号は消失したが、歩行の改善は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011