肝癌撲滅最前線
肝癌治療のパラダイムシフトを目指して
椎名 秀一朗
1
,
近藤 祐嗣
,
建石 良介
,
五藤 忠
,
金井 文彦
,
小俣 政男
1東京大学 消化器内科
キーワード:
Ethanol
,
肝細胞癌
,
肝切除
,
腫瘍再発
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
経皮的エタノール注入療法
,
腹部CT
,
ラジオ波焼灼術
Keyword:
Ethanol
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Practice Guidelines as Topic
pp.607-613
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009341877
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肝細胞癌では、癌の根治的治療と肝機能の温存の両方ができないと、長期予後は改善しない。肝細胞癌では、肝硬変や多発病変により、切除可能例は20~30%である。切除後も、5年間で70~80%が再発する。外科手術だけでは限界がある。肝細胞癌では、種々の非外科的治療が導入されてきた。とくに経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)は、根治性があり、低侵襲で、再発時の再治療も容易である。現在のガイドラインは、肝切除を経皮的局所療法より推奨している。しかし現実には、肝切除は減少し、RFAが増加している。導入後10年が経過し、RFAの良好な長期成績が報告されている。テクノロジーの進歩により、RFAの成績はさらに向上するものと思われる。ただし、RFAは安易に行われる傾向もあり、施設間の技術格差が大きい。全体的なレベルアップが、今後の課題である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009