肝癌撲滅最前線
疫学 肝癌発生の疫学
田中 純子
1
,
片山 惠子
1広島大学 大学院医歯薬学総合研究科疫学・疾病制御学
キーワード:
肝炎-B型
,
肝炎-C型
,
B型肝炎ウイルス
,
ヘパシウイルス
,
肝臓腫瘍
,
死亡率
,
保菌者状態
,
有病率
Keyword:
Carrier State
,
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Hepatitis C
,
Liver Neoplasms
,
Mortality
,
Hepacivirus
,
Prevalence
pp.614-620
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009341878
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わが国の肝癌は、肝炎ウイルスの持続感染、とくにC型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染を母地として発生するものがその大部分を占めてきたことが明らかとなっている。したがって、肝炎ウイルスキャリアの対策を講じることは、ひいては肝癌の発生を抑制する対策であるといえる。戦略的に肝炎・肝癌の発生を制御するためには、地域や年齢でその分布が異なるキャリア率およびキャリア数を疫学的視点で把握するとともに、潜在しているキャリアの対策、患者としてすでに通院・入院しているキャリアの対策、(感染を知ったが)受診しないでいるキャリアの対策、そして、ハイリスク集団および次世代のキャリアの新規発生予防対策、を地域ごとに講じることが、大切である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009