発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009320189
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2ヵ月の短期間で急激な増悪変化をきたしたスキルス胃癌の67歳女性症例について検討した。食欲不振、心窩部痛を主訴とした。約2ヵ月前の内視鏡像では、著明な萎縮性胃炎および小彎側一部に粘膜の不整を認めたが、送気による胃の拡張は良好であった。しかし、2ヵ月後の内視鏡像では、胃前庭部の狭窄と浮腫状変化を認めた。送気を行っても胃体中部から前庭部にかけて拡張せず、著明な進展不良を認めた。異常値を認めなかった腫瘍マーカーも、2週間後には異常高値を示した。スキルス胃癌を疑ったが、生検は慢性胃炎のみの所見であった。診断的治療のため開腹術を行ったところ、洗浄による腹水細胞診で胃癌と診断された。なお、患者は慢性C型肝炎に対するpeginterferon alfa-2b/ribavirin(PEG-IFNα-2b/RBV)療法中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009