骨粗鬆症診療の進歩 骨折の予防と克服をめざして
骨粗鬆症とはどのような疾患か? 骨粗鬆症の臨床像
遠藤 直人
1
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科機能再建医学講座整形外科学分野
キーワード:
骨折
,
骨粗鬆症
,
生活の質
,
日常生活活動
,
発生率
,
診療ガイドライン
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Osteoporosis
,
Quality of Life
,
Incidence
,
Practice Guidelines as Topic
,
Fractures, Bone
pp.424-427
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009305734
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨粗鬆症は、骨が脆弱化して骨折をきたしやすくなる病態である。骨折をきたしていない例では基本的に無症状である。脊椎骨折では、身長低下、後彎変形、さらに重症の場合、脊髄、脊髄神経根を圧迫し、痛みやしびれ、さらには歩行障害などの症状をきたす。大腿骨近位部(頸部)骨折は、脊椎骨折に次いで多い。この骨折は歩行不能となり、歩行、移動能力の回復を目指した治療を行うが、高齢で多くの疾患を有している例や、高度認知症例、筋力、バランス機能の低下例では、歩行能力は受傷前のレベルまで回復しない例も多い。骨粗鬆症患者に対して骨折治療はもちろんのこと、骨折ハイリスク者をスクリーニングし早期に介入して骨折予防を行っていくことが重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009